一昨年、息子が航空自衛隊の試験に落ちて落胆していた頃から日本周辺のきな臭さが一層増して来たことは感じていた
内心、来年は受かると思った
親としては非道と思われるかもしれない
そして春先から準備を始めていた矢先に海上自衛隊に拾ってもらえたと考えている、辞退者が出たのだ
勿論、息子の意志を確認した、無理やり押しこんでもやる気がなければ脱落するだけだ、申し訳ないとは思うがこんな時代だからこそ防人の仕事をする奴も居なければいけないんだということを小さい頃から教えていたつもりだ
4月2日
突然の話しだった「辞退者が出たのですが、息子さんは航空志願でしたよね?」
「どうでしょうか?時間が無いので30分後まで返事を下さい、次の人へ打診する都合がありますので」
「わかりました、すぐに意志を確認して折り返しお電話します」
息子はのんきに家で寝ていた
俺は、たたき起こして「おい!大変だぞ、海上自衛隊に空きが出たぞ」
「お前に話が来ているが、どうする?」
「え!ああ、そうですか」
「返事をしなくちゃいけないんだけど海上自衛隊に行くか?」
「あ、はい!行きたいです」
そして次の日には横須賀の教育隊へ入隊手続きに行ったのだった
劇的すぎて何が何だかわからなかっただろう